お水と介護の話

自分の働く職場の社長さんは、強烈なキャラクターだったことありませんか?

自分で事業始めるくらいなので、キャラなんて強烈で当たり前ですが、私が働いていた場所もその当たり前の1つでした。


私は、介護関係のアルバイトをしていたことがあります。

長年、ご自身の旦那様の介護をされていた奥様がより自分の旦那様を良く介護してくれる事業所を探して、見つからないから自分で作ったという事業所でした。


初めてお会いした時は、旦那様のベッドの側に座っている姿でした。

献身的に24時間ほぼ付きっきりで、休む暇はなく、常に疲労の様子が手にとってわかるようでした。


ニッコリと笑って

「よろしくね」と可愛らしい声。

旦那様は、この声に惹かれたのかしらというような声でした。


それから週に数回、仕事をさせていただきました。

何回も通ううちに、身の上話もするようになり、旦那様との馴れ初めを聴くと

奥様「お客さんだったの」

私→( ゚д゚)

奥様「私、水商売で自分で店持ってて、自分は店出ないで、他のクラブに働きに行ってたんだけど、そこで出会ったのよ。」

私「そうなんですか。」


その社長さんは20歳から自分でお店を持っていたママでした。

どうして店を出したのか聴くと、親がお店を作ってしまったから、当時ヤンキーあがりだった奥様にやらせようということになり、勝手にお店のママにさせられたとのことでした。

当時彼氏がいたため、彼氏をボーイとして雇ったり、ファミレスの店員さんで気になる子がいれば自ら通ってスカウトしたり。


プライベートでは結婚もしようと式場まで予約したのに、直前に嫌になって、自分から家出して破棄したり。


暴飲暴食を繰り返した結果、痔瘻になり手術したり。


とにかく、若い頃から人生経験豊富な方でした。


そんな若い頃から人の上になって仕事をしてきた、波瀾万丈な人生を送ってきた奥様だからこそ、社員のマネイジメント能力はすごいなぁと思う所が多くあります。


・この子は、こう言わないと理解できないからこう言ってやってもらう。

・あの子がこうやってる時は、〇〇なことを考えてる可能性があるから、そっとしておいて後で言う。


とにかく、一人一人の特性を理解して指示を出すんです。

介護の世界は、サービスのやり方に統一性を持つようにはしていますが、人と人の関係なので、そこには多少の違いがあります。上手く出来る人もいれば、そうでない人もいます。性格の出やすい仕事です。

雑になればお客様からクレームが来ますし、最悪、命に関わることになる可能性だってあります。


その多少の差を最小限にするために、最悪の事態が起こらない為に、上に立つ人が上手に指導しないといけません。


時にはキンキン頭に響く声で社員を怒鳴りつけることもありますし、笑って穏やかに話をすることもあります。


とにかく激しい。

けど、正論だなと思うことが多い。


強烈なキャラクターではありますが、社員の意見も聞いてくれる、サービスの質を高める努力は惜しまない、そんな方です。


水商売と介護の仕事は同じサービス業です。


水商売でもキャバ嬢が長く続かないのは、ストレスフルな環境と加齢による衰え。クラブやスナックは年を重ねて続けているママもいます。

介護離職が多いのは、過酷な労働と安い賃金が原因といわれることが多いです。でも、長く続いている人は、それ以上にやり甲斐を感じている人が多いです。


全て繋がる訳ではありませんが、

人と人の関係性が上手くいけば、

コミュニケーションが取れていれば、

どちらも長く続くものなのかなと思う所です。